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【SIer と SESの違いとは?】〜現役SEの実体験を解説〜

【SIer と SESの違いとは?】〜現役SEの実体験を解説〜

 

本記事では、【SIer と SESの違いとは?】〜現役SEの実体験を解説〜というタイトルで記事を書いていこうと思う。趣旨としては、タイトルのままで、「SIer と SESの違いについて、現役SEの実体験を元に解説していくものとなる。

違いというと定義的な違い(Sierはこういう会社です。SESはこういう会社です。みたいな感じ)を想像すると思うが、筆者はそんな堅っ苦しい説明をする気は一切ない。SIer業界やSESと言う言葉を知ったばかりの人に分かりやすいようになるべく噛み砕いて書いた記事となっている。

実際の働き方の違いや、これから就職活動をされる方向けにどんなタイプがどちらに向いているのかなど、業界のことがそもそも良く分かっていない方向けにメリットとなるような様々な情報をお届けできると思うので、ぜひ最後まで読んでもらいたい。

 

SIer と SESの違い

まず結論から説明しておこう。
SIer と SESの違いはズバリ、「会社にとってのお客さんの違い」という点である。

どちらもシステム開発業務(や運用・保守)を行う、システムエンジニアとして働くという仕事であることに変わりはないが、お客さんの対象が違うのである。

 

SIer と SESのお客さんの違い

簡単にSIerとSESそれぞれのお客さんの違いを説明すると、以下のようになる。

SIerとSESそれぞれのお客さんの違い
  • SIerにとってのお客さんは、「システム開発依頼主」
  • SESにとってのお客さんは、「SIer」

さらに分かりやすく概念図化した画像が以下だ。

SIerとSESの違いを説明した画像

 

上記のように、SIerは「こんなシステムを作って欲しい!」という企業(依頼主)から「はい、うちが作りまっせ〜!」ということでシステム開発のお仕事を受注し、SIerはそこからさらにSESなどの企業に、「システム開発のお仕事あるんで一緒にやってくれませんか」ということでお仕事を再分配するというのがSIerおよびSES業界の流れ(商流という)であり、最大の違いとなる。

SIerは依頼主のお客さんからシステム開発の報酬をもらい、SESはSIerからシステム開発の協力会社として報酬をもらうという仕組みなのである。

 

多重下請けに注意

上記でSIerとSESの関係を簡潔に説明したが、実際はもっと複雑な関係であることがほとんどだ。血理由は、「多重下請け」と言う構造がSIer業界のスタンダードだからだ。

多重下請けとは一体どんなものかと言いうと、以下の図を見てもらうと理解が早い。

多重下請け構造の説明図

上記から分かるように、実際はSIerとSES企業間では、「一つの企業からまた他の企業へ仕事を依頼して、依頼を受けた企業がまた他の企業に依頼して、、」と言う多重の下請け構造が存在するのである。

何が言いたいかと言うと、厳密にはSIerからSIerへとお仕事を渡すこともあれば、SESからSESにお仕事を渡すことも全然ある。つまり、実際はSIerもSESも呼び名だけで、明確な線引きは実は存在しないのである。

なので、先に説明した「お客さんの違い」と言う説明は厳密には異なるケースもあるのだが、とりあえずSIerとSESの違いを分かりやすく説明するために「一般例」としてそれぞれのお客さんを説明したわけである。

 

SIerの種類

SIerは、企業の成り立ちや業務内容によっていくつかの種類に分かれる。それぞれの違いや具体的な業務内容を把握しておけば、よりSIer業界についての理解も深まるだろう。企業によっては複数の種類に該当するケースもあるが、種類別の特徴や代表的なSIer企業は以下の通り。

種類

主な特徴

主な事業内容

代表的なSIer企業

メーカー系

PCメーカーから独立したSIer

親会社やグループ会社のシステム開発

日立製作所、NEC

ユーザー系

一般企業から独立したSIer

親会社または外部企業のシステム開発

NTTデータ、SCSK

独立系

特定の親会社を持たないSIer

外部企業のシステム開発

大塚商会、日本ユニシス

コンサル系

企画提案や要件定義を行うSIer

外部企業のコンサルティング業務

NRI、アクセンチュア

外資系

海外を中心に事業展開を行うSIer

海外企業のシステム開発

MicrosoftOracle

 

 

SIerとSESの働き方の違い「SESは客先常駐」

SIerとSESのお客さんの違いが理解できたところで、
SIerとSESの働き方で最大の違いである、SES企業の「客先常駐」と言う働き方を紹介する。

客先常駐とは、文字通り「お客さん先に常駐して働く働き方」のことだ。

客先常駐の説明画像

 

SESは、そもそも「システムエンジニアリングサービス」の略称が指すとおり、システムエンジニアを労働力としてサービスすることで、お金を稼ぐ働き方だ。

つまり、働く場所は自社で働くのではなく、お客さんであるSIerさんが働いている場所で働くと言うことになる(客先常駐)。

実際筆者も最初の研修期間以外、自社で開発したことは無い。3年間のうちのほとんどをお客さんのオフィスで、お客さんの会社のロゴが入った社員証をぶら下げながら過ごした。

 

 

SIerもSESも、本質的には同じような業務に取り組む

勘違いして欲しくない点としては、じゃあSIer(や、下請けのSESを持っているSES企業)はSESに仕事を振るだけで、システム開発をやらないのか?といえばそうではない。

どちらもシステムエンジニアとして、本質的には同じような業務に取り組むことになることに違いはない。

SIerとSESの仕事内容の違いの画像

SESに仕事を再分配するのが常のSIerとて、開発業務に携わるのはもちろんのこと、依頼主とのやりとりなど、上流から下流まで幅広くシステムエンジニアとしての仕事をやるのである。これは基本である。むしろ上流のポジションで仕事をやるのでその責任は大きい。

しかし、SIerの会社の社員だけでプロジェクトを完結させようとすると、人手も賃金も足りなくなってしまうので、協力会社(SES)と手を組むことによってそれらを解決するのである(分かりやすい例えをするならば、会社がアルバイトを雇って人手と賃金をコスパよくカバーすることに似ている)。

あまり定義という感じの説明ではなくったが、ここまででなんとなく両者の違いが理解できたことだろう。

最も押さえておいて欲しい点としては、どちらもシステムの開発業務や運用・保守をするという点では違いはないと言う点だ。

SIerとSESの違い

SIer と SESとでは、会社にとってのお客さんが違う

  • SIerにとってのお客さんは、「システム開発依頼主」
  • SESにとってのお客さんは、「SIer」

※結局はどちらもシステムの開発業務や運用・保守をするという点では違いはない。

 

SIer業界とWebエンジニア業界

「SIer業界」という概念について、ここで小話し

SIerとSESの違いについて、ざっくり理解できたところで、
SIerとSESは、両者をひとくくりにした、SIer業界という概念にまとめられる
と言うことを覚えておこう。

というのも、IT業界において、SIer業界と大きく二分される概念として、Webエンジニア業界という概念が存在する。

SIerとwebエンジニアの違いの画像

両者はどちらもITエンジニアという大きな括りの中では同じ仕事と言える。しかし、その形態やイメージは大きく異なるものなので、覚えておいて損はない。

どのくらい違うのかというと、「吹奏楽 vs 軽音」くらい違うのである(音楽関係者の方にはすみません、あくまで一般の方が分かりやすい例として取り上げています)。

 

簡単に説明すると、

  • SIer業界は、BtoBがメインの大規模システム開発、及び、運用・保守がメインの大規模なエンジニア業界。
  • 対して、Webエンジニア業界はBtoB(受託開発など、SESとは異なる)はもちろん、BtoCのサービスが主体の自社開発サービスが活発な言わば少数精鋭のエンジニア業界

と言えるだろう。

 

これだけ聞くとエンジニアとして何が違うのかピンと来ない方が多いと思うが、働き方や、扱う技術とそのレベル、求められる人物像など、同じIT業界と言えど大きく要素が異なってくる部分なのだ。

SIer業界とwebエンジニア業界の違いについては下記記事にて詳細を記述しているので、ぜひ参考がてら読んでもらえると嬉しい。

 

 

SIer と SESの定義的な違い




ちなみに、ここでようやくSIerとSESの定義的な違いをちゃんと説明すると、以下のようになる。

SIer(システムインテグレータ)

「社会に必要不可欠なあらゆる「しくみ」を、ITを使って構築する情報サービス企業のことを指し、IT業界ではSIer(エスアイヤー)と呼ばれることもあります。お客様の業務を把握し、課題解決のためのコンサルティングから設計、開発、運用・保守までを請け負うのがSIerの仕事です。」

https://nttdata-recruit.com/about/si/

SES(システムエンジニアリングサービス)

「SES(システムエンジニアリングサービス)とはソフトウェアやシステムの開発・保守・運用における委託契約の一種であり、特定の業務に対して技術者の労働を提供する契約です。」

https://www.elite-network.co.jp/dictionary/ses.html

上記を要約すると、

  • SIerは、システムの開発・運用・保守を一括でお客さんからもらう会社。
  • SESは、上記に対して、システムエンジニアの労働力を提供する会社、

ということになる。

今までしてきた説明が今ならスッと理解できるだろう。

 

SIer と SES なら、基本的にSIer一択

SIer と SESの違いが理解できたところで、
ではSIer と SES、どちらに行くべき(就職すべき)なのかというのをズバリお伝えしておこう。

結論を言うと、「基本的にSIer一択」と言うのが結論になる。

一番大きな理由としては、前述したように、両者とも結局は「SIer業界」と言う同じIT業界のカテゴリに属するシステムエンジニアでありながら、商流的には明らかにSIerの方が立ち位置が上であると言うことが挙げられる。

SIerがSESより商流が上であることのメリットは以下のようなことが挙げられる。

SIerがSESより商流が上であることのメリット
  • 給料が高い(SESの給料は安い〜普通くらい)
  • ホワイトに働ける可能性が高い(SESはブラックになりがち)
  • キャリアとして誇れる(SESはキャリアとして自慢できるものではない)
  • 上流の仕事ができる(SESは下流を任されがち)

 

などなど、ほんとはもっとあるが、基本的には全てに置いて、SIerはSESの上位互換であることに変わりはない。エンジニアとしてSIer業界も視野に入れているのであれば、SESよりは、まずSIerへの就職を第一に考えるべきであろう。

 

ただし、「基本的に」と言うことをお忘れなく(ハードルは高め)

ただし、「基本的に」と言ったのは、理由がある。

それは、SIerに入りたいからと言って誰でも入れるわけではなく、SIerなどの大手ITベンダーと言われる企業は、理系や情報系出身の人がほとんどで、または文系出身でも高学歴で将来性がある人でないと就職が難しいハイレベルな業界であると言う理由があるからだ。

全くの未経験(文系かつ、情報的な分野の学問は一切学んでこなかったみたいな人)で、高学歴でもない人(筆者も大学生当時そうでした笑)は、目指すだけ無駄なので、どうしてもSIer業界でも良いからIT業界に就職したいとお考えの方は、SES企業も就職先として選択肢に入れることを強くお勧めする。

SESは悪い噂ばかりが先行するので、「就職はちょっと、、」と考えている人が多いと思うが、実際はちゃんと技術も一通り学べるし、常駐先となる企業(つまりSIerなど)が近年めざましくホワイト化してきているので、そこまで悪い待遇ではないと言うのが筆者の見解だ(もちろん本当に悪どいSES企業もまだまだ存在するので注意は必要だが)。また、良い意味でも悪い意味でも「未経験の人」への歓迎率は高い。

SES企業の実態について記載した記事は以下になるので、ぜひ合わせて参考にして欲しいと思う。

3年働いて分かったSES企業の全てを語る(新卒・未経験)

 

また、見方を変えればSESには以下のようなメリットもあるだろう。

  • 小さな規模の会社に就職したい
  • 様々な現場で様々な技術・働き方を知りたい
  • 上流工程よりは、下流メイン(開発業務・テストなど)で生きていきたい

 

感じ方は人それぞれだが、ちょっとでも本記事がこれからSIer業界への就職を考えている人などに参考になれば幸いだと思っている。

 

関連記事

 

https://www.elite-network.co.jp/dictionary/sier.html

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